戸建てを売ったら税金はいくらかかるのか、手元にいくら残るのか。売却を検討し始めると気になるポイントです。
譲渡所得税の計算では建物の減価償却や控除の適用判断など戸建て特有の手順があり、全体像がつかみにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では築25年の木造戸建てを通しケースに、4つのステップで税引後の手取り額まで試算します。
戸建て売却の税金は「売却額」ではなく「利益」にかかる
戸建て売却の税金で最も大きいのは、売却額ではなく利益(譲渡所得)にかかる譲渡所得税です。
印紙税や登録免許税は別記事に譲り、本記事では手取りを左右する譲渡所得税の試算に絞って4ステップで進めます。
戸建て売却で税金がかかるのは利益(譲渡所得)が出たときだけ
売却額から購入費用や諸経費を差し引いた結果、利益が出なければ譲渡所得税はかかりません。
「売ったら売却額の何割も税金で取られるのでは」と心配される方は少なくありません。しかし課税されるのは売却額そのものではなく、そこから購入費用(取得費)と売却にかかった経費(譲渡費用)を引いた残り、つまり利益の部分です。この利益を税務上は「譲渡所得」と呼びます。
利益が出れば所有期間に応じた税率で所得税・住民税・復興特別所得税がかかります。一方で最大3,000万円の特別控除が使える場合もあり、控除後に利益がゼロになれば税額もゼロです。「自分の戸建てでは利益がいくら出て、税引後に手元にいくら残るか」を自力で試算できるようにするのが本記事のゴールです。
税額を左右する計算式と本記事で使う通し試算ケース
譲渡所得税の計算は、4つのステップで組み立てます。
まず全体の計算式を確認します。
課税譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
この式で出た課税譲渡所得に所有期間で決まる税率を掛けると、概算の税額が出ます。
本記事ではこの一連の流れを次の4ステップに分けて計算を進めます。
| ステップ | やること | 分かること |
|---|---|---|
| STEP1 | 譲渡価額・取得費・譲渡費用を出す | 利益(譲渡所得)の額 |
| STEP2 | 所有期間から税率を確定する | 控除前の概算税額 |
| STEP3 | 控除・特例を当てはめる | 控除後の税額と手取り |
| STEP4 | 確定申告の要否を判定する | 最終的な進め方 |
各ステップを順に追うと、最後に税引後の手取り額までたどり着けます。
計算をイメージしやすくするため、記事全体を通して次のケースを使います。
通し試算ケース
物件:木造戸建て(築25年)
売却額:3,000万円
購入額:2,800万円
所有期間:15年
用途:自分が住んでいたマイホーム
ご自身の戸建ての数字に読み替えながら、各ステップで数字を更新していく流れです。
契約書がある人・取得費が分からない人で進め方が分かれる
購入時の売買契約書があるかどうかで、STEP1での計算ルートが変わります。
契約書が手元にある方は、記載された売買金額をもとに取得費を算出できます。そのまま次のSTEP1へ読み進めてください。
古い戸建てや親から相続した家では、契約書が見つからないことも珍しくありません。取得費が不明だと「売却額の5%」を取得費とみなす概算取得費を使うことになり、利益が大きく計算されて税負担が重くなりがちです。STEP1では概算取得費以外にも取得費を推計する方法を紹介しますので、該当する方はあわせて確認してください。
出典: 国税庁 タックスアンサー「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」、国税庁 タックスアンサー「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
【STEP1】戸建ての売却益(譲渡所得)を計算する
利益(譲渡所得)を算出する工程で、戸建て売却の税金計算で最も手間がかかるステップです。
土地と建物の取得費を分ける計算や建物の減価償却、取得費が分からない場合の対応など論点が集中しますが、この章を読み終えると通しケースの譲渡所得が算出できます。
戸建ての譲渡価額と譲渡費用を確認する(解体費や測量費も差し引ける)
最初に確認するのは「いくらで売れたか(譲渡価額)」と「売るためにいくらかかったか(譲渡費用)」の2つです。
譲渡価額は売買契約書に記載された売却金額が基本です。引き渡し日以降の固定資産税精算金を買主から受け取った場合は、その額も譲渡価額に含まれます。
譲渡費用は売却のために直接かかった経費で、利益の計算で差し引けます。戸建て売却で該当しやすい項目は次のとおりです。
- 仲介手数料(売却額×3%+6万円+消費税)
- 売買契約書の印紙代
- 境界確定のための測量費
- 更地にして売る場合の建物解体費
解体費は戸建て売却ならではのポイントです。古い建物を取り壊して更地で売却した場合、取り壊し費用と建物の損失額は譲渡費用に含められます。一方で修繕費や固定資産税など資産の維持管理にかかった費用は対象になりません。
通しケースの現在地
- 譲渡価額:3,000万円
- 譲渡費用:仲介手数料 約105.6万円 + 印紙代 1万円 = 約107万円
- → ここから取得費を引くと譲渡所得が出ます
取得費は土地と建物を分けて出す(建物は減価償却で目減りする)
戸建ての取得費は土地と建物に分けて計算し、建物部分は減価償却によって購入額より小さくなります。
取得費は「その不動産をいくらで手に入れたか」を示す金額ですが、土地と建物で扱いが変わります。土地は経年で価値が減らないため購入時の金額がそのまま取得費です。建物は年月とともに価値が下がるので、購入額から「減価償却費」と呼ばれる目減り分を差し引いて計算します。
建物の減価償却費は次の式で求めます。
減価償却費 = 建物の購入額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数 ※上限は建物の購入額の95%
償却率は建物の構造で異なり、自宅として使っていた住宅(非業務用)の主な値は次のとおりです。
| 構造 | 耐用年数(非業務用) | 償却率 |
|---|---|---|
| 木造 | 33年 | 0.031 |
| 鉄筋コンクリート造 | 70年 | 0.015 |
木造は鉄筋コンクリート造に比べ約2倍の速さで償却が進みます。そのため築年数の経った木造戸建てでは建物の取得費が小さくなり、利益が大きく計算されやすい点を押さえておいてください。
通しケースに当てはめてみましょう。購入額2,800万円の内訳を建物1,200万円・土地1,600万円として計算します。
建物の減価償却費 1,200万円 × 0.9 × 0.031 × 15年 = 約502万円
建物の取得費 1,200万円 − 502万円 = 698万円
取得費の合計 土地 1,600万円 + 建物 698万円 = 2,298万円
購入時にリフォームをしていた場合、建物の価値を高める工事(増築や耐震改修など)の費用は「資本的支出」として取得費に加算できます。壁紙の張り替えや設備修理など現状維持の支出は対象外です。なお、夫婦や兄妹の共有名義で戸建てを売る場合は取得費と譲渡所得を持分割合に応じて按分して計算します。
通しケースの現在地
- 譲渡所得:3,000万円 −(2,298万円 + 107万円)= 約595万円
- → 次のSTEP2で、この譲渡所得に税率を掛けます
取得費が分からない古い戸建て・相続戸建ての3つの救済策
契約書がなくても概算取得費以外に取得費を推計する方法があり、どの方法を選ぶかで税額に大きな差がつきます。
最もシンプルなのは「売却額の5%」を取得費とみなす概算取得費です。手続きは簡単ですが取得費が非常に小さくなるため、利益が膨らみます。通しケースで比べると、概算取得費を使った場合の譲渡所得は2,743万円(=3,000万円 − 150万円 − 107万円)となり、契約書ありの約595万円に対して4倍以上の開きが出ます。
取得費の違いによる譲渡所得の差(通しケース)
取得費 譲渡所得 契約書あり(実額) 2,298万円 約595万円 概算取得費(5%) 150万円 2,743万円
2つ目は、日本不動産研究所が公表する「市街地価格指数」を使い、取得当時の土地価格を推計する方法です。国税不服審判所の裁決で認められた例がある一方、否認された例のほうが多く、過去の裁決9件中7件では納税者の主張が退けられています。都市部の宅地以外では妥当性が認められにくいため、この方法を採用する際は税理士に相談したうえで進めてください。
3つ目は、旧住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)の融資記録や金融機関のローン契約書から購入額を間接的に裏付ける方法です。住宅ローンの金銭消費貸借契約書には融資額が記載されており、頭金の額と合わせれば取得費を推計できるケースがあります。
分譲時のパンフレットや不動産取得税の課税通知書も間接的な根拠になり得ます。いずれの方法も税務署と見解が分かれるリスクがあるため、取得費が不明な方は売却前の早い段階で税理士に相談することをおすすめします。
出典: 国税庁 タックスアンサー「No.3252 取得費となるもの」、同「No.3255 譲渡費用となるもの」、同「No.3261 建物の取得費の計算」、同「No.3258 取得費が分からないとき」
出典:一般財団法人 日本不動産研究所、国税不服審判所 公表裁決事例(平12.11.16裁決、裁決事例集No.60)
【STEP2】戸建ての所有期間で税率と税額を確定する
STEP1で出した譲渡所得に税率を掛けて、控除前の概算税額を算出します。
所有期間で税率がほぼ倍変わるため手取りへの影響が大きく、その判定は「売却した年の1月1日時点」で行われます。
あなたの戸建ては短期譲渡か長期譲渡か(売却した年の1月1日が基準)
所有期間が5年を超えるかどうかで税率がほぼ倍違い、その判定は「売却した年の1月1日時点」で行います。
不動産の譲渡所得にかかる税率は、短期譲渡所得と長期譲渡所得で大きく異なります。
| 区分 | 所有期間(売却年の1月1日時点) | 税率合計 |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
※税率は所得税+住民税+復興特別所得税の合計
注意したいのが所有期間の数え方です。実際に何年間保有していたかではなく、「売却した年の1月1日時点で5年を超えているか」で判定します。たとえば2021年4月に購入した戸建てを2026年5月に売るケースでは、実際には5年1か月保有しています。
しかし2026年1月1日時点では4年8か月のため「5年以下」に該当し、短期譲渡として39.63%が適用されます。数か月の差で税率が倍近く変わるため、所有5年前後の方は売却時期の判断が重要です。
通しケースの所有期間は15年で、長期譲渡所得に該当します。通常の長期税率20.315%を掛けると約121万円ですが、所有10年超のマイホームにはさらに低い税率が用意されています。
10年超所有のマイホームは軽減税率で税負担が下がる
売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームは、譲渡所得の6,000万円以下の部分に14.21%の軽減税率が使えます。
通常の長期税率は20.315%ですが、この特例が適用されると6,000万円以下の部分は14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別所得税0.21%)まで下がります。さらに3,000万円の特別控除と併用できるため、控除で利益を圧縮したうえで残った分にも低い税率を適用できる点が大きなメリットです。
通しケースは所有15年のマイホームなのでこの軽減税率が適用でき、譲渡所得595万円は全額が6,000万円以下の部分に収まります。
通しケースの現在地
- 譲渡所得:約595万円
- 適用税率:14.21%(10年超マイホーム軽減税率)
- 控除前の概算税額:595万円 × 14.21% = 約85万円
- → 次のSTEP3で、特別控除を差し引いて税額を圧縮します
相続した戸建ては亡くなった人の所有期間を引き継ぐ
相続や贈与で取得した戸建ては、亡くなった方(被相続人)や贈与した方の取得日から所有期間を数えます。
たとえば被相続人が30年前に購入した戸建てを相続し、1年後に売却するケースを考えてみてください。相続からは1年ですが、所有期間は被相続人の取得日から起算するため30年として扱われ、長期譲渡所得の税率が適用されます。被相続人の所有が10年を超えていれば、条件を満たすことで軽減税率が使える可能性もあります。
通しケースは自分で購入したマイホームのため、この論点には該当しません。親から相続した戸建てを売る方は、被相続人がいつその家を取得したかを確認しておくと税率の判定がスムーズです。
出典: 国税庁 タックスアンサー「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」、同「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」、同「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」、同「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
【STEP3】控除・特例を当てはめて戸建て売却の税額を圧縮する
STEP2で出した概算税額から控除を差し引いて、税額を圧縮します。
戸建て売却で使える可能性が高いのはマイホーム用と相続空き家用の2つの3,000万円控除で、「自分は使えるか」をここで判定します。
マイホームの3000万円特別控除を使えるか確かめる
自分が住んでいた戸建てを売った場合、所有期間に関係なく譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。マイホーム売却で最も利用頻度が高い控除で、短期譲渡・長期譲渡を問わず適用できます。まずは次の主な要件を満たすか確認してみてください。
マイホーム3,000万円控除の主な適用要件
- 現に自分が住んでいる家(or 住まなくなって3年後の年末までに売却)
- 売った年の前年・前々年にこの特例を使っていない
- 買換え特例を同時に使っていない
- 売却先が親子・夫婦など特別な関係者ではない
- 別荘や一時的な仮住まいではない
通しケースは自分が住んでいた築25年のマイホームで、上記の要件をすべて満たします。この特例は10年超マイホームの軽減税率とも併用できるため、控除を引いてもなお利益が残る場合には低い税率で計算できます。
相続した戸建ては空き家の3000万円特別控除を使えるか
相続した被相続人の家(空き家)を売った場合にも、最大3,000万円を控除できる別の特例があります。
この特例は「区分所有建物登記がされていないこと」が要件に含まれており、区分所有のマンションは対象になりません。戸建てを相続した方に限られる控除で、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。適用を受けるには次のような要件があり、すべてを満たす必要があります。
空き家3,000万円控除の主な適用要件
- 相続または遺贈で取得した被相続人の居住用家屋・敷地である
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋
- 区分所有登記がない(戸建てが対象、マンションは対象外)
- 相続直前に被相続人以外の居住者がいなかった
- 相続から売却まで事業・賃貸・居住に使っていない
- 相続開始から3年後の年末までに売却
- 売却代金が1億円以下
- 耐震基準を満たすか、取り壊して更地で売却
なお令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合に控除上限が2,000万円に引き下げられています。要件が多いため、すべてを満たすかの最終判断は税理士に確認するのが安全です。
通しケースは自分で購入したマイホームなのでこの空き家特例には該当しません。親から相続した古い戸建てを売る方は、マイホーム用と空き家用のどちらの3,000万円控除が使えるか、あるいは取得費加算の特例のほうが有利かをケースごとに検討してください。
控除を適用すると手取りがいくら残るかを確認する
控除を当てはめると、通しケースでは税額がゼロになり手取りが変わります。
マイホーム3,000万円控除を適用した場合の差は次のとおりです。
| 控除なし | 3,000万円控除適用後 | |
|---|---|---|
| 課税譲渡所得 | 約595万円 | 0円 |
| 税額(14.21%) | 約85万円 | 0円 |
| 税引後の手残り | 約2,808万円 | 約2,893万円 |
※手残り = 売却額3,000万円 − 譲渡費用107万円 − 税額。仲介手数料以外の諸費用(登記費用等)は含んでいません。
通しケースでは譲渡所得595万円に対して3,000万円の控除枠があるため、課税対象はゼロになり税額もゼロです。売却額3,000万円から譲渡費用107万円を引いた約2,893万円がそのまま手元に残ります。
通しケースの現在地
- 課税譲渡所得:0円(3,000万円控除適用後)
- 税額:0円
- 税引後の手残り:約2,893万円
- → 次のSTEP4で、確定申告の要否と進め方を確認します
出典: 国税庁 タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例」、同「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(いずれも令和7年4月1日現在法令等に基づく)
【STEP4】確定申告で戸建て売却の税額を確定させる
概算税額を確定させる最終ステップで、申告が必要な人と不要な人をここで切り分けます。
本記事では判定と書類・期間の要点に絞り、申告書の書き方やe-Taxの操作手順は専門記事に譲ります。
戸建て売却で確定申告が必要になるのはどんな人か
利益が出た人と控除・特例を使う人は、税額がゼロでも確定申告が必要です。
戸建てを売って譲渡所得がプラスになった場合は、売却した翌年の確定申告期間に申告して税額を確定させます。3,000万円控除や軽減税率の特例を使って税額がゼロになったケースでも、特例の適用を受けるには確定申告書の提出が条件です。
通しケースは3,000万円控除で課税譲渡所得をゼロにしたため税額は発生しませんが、特例を使う以上は確定申告が必要です。譲渡所得がマイナス(売却損)で特例も使わない方は、原則として申告義務はありません。
申告に必要な書類と進め方の要点
確定申告では譲渡所得の内訳書や売買契約書の写しなどを提出し、売却した翌年の申告期間中に手続きを済ませます。
申告期間は売却した翌年の2月16日から3月15日までが原則です(令和7年分は2026年3月16日期限。3月15日が土日祝に当たる年は翌営業日に延長)。所轄の税務署に持参・郵送するほか、e-Taxを使ったオンライン申告も利用できます。
戸建て売却の確定申告で準備しておきたい主な書類は次のとおりです。
戸建て売却の確定申告——主な必要書類
- 確定申告書(第一表・第二表・第三表)
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
- 売却時の売買契約書の写し
- 購入時の売買契約書の写し・領収書(取得費の根拠資料)
- 仲介手数料・測量費などの領収書(譲渡費用の根拠資料)
- 売却物件の登記事項証明書(不動産番号の記載で省略可)
3,000万円控除を使う場合は、住民票の住所と売却物件の所在地が異なるときに戸籍の附票の写しなどが追加で求められます。
取得費の根拠になる購入時の売買契約書やリフォームの領収書は、売却を決めた段階で早めに探しておくのがおすすめです。古い戸建てでは書類が見つからないケースも多いため、融資記録や市街地価格指数など代替手段の検討もあわせて進めてください。
利益が出なかった人・税額がゼロになった人の進め方
利益が出なかった方にも、確定申告を行うことで税負担を減らせる制度があります。
マイホームを売って損失(譲渡損失)が出た場合、一定の要件を満たすとその損失を給与所得など他の所得と相殺できる「損益通算」が使えます。さらに相殺しきれなかった分は最長3年間繰り越して控除できる「繰越控除」も利用できます。
損益通算や繰越控除を使うには確定申告が必要です。売却損が出た方は、申告によって給与所得などから源泉徴収された税金が還付される場合があるため、ご自身のケースが該当するか確認してみてください。なお正確な税額を試算するには売却額の見込みが前提になりますので、まだ査定を受けていない方は早めに売却額のレンジを把握しておくことをおすすめします。
出典: 国税庁「令和7年分 確定申告特集」、国税庁 タックスアンサー「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」、同「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」
まとめ
戸建て売却の税金は、売却額そのものではなく「売却額から取得費や譲渡費用を差し引いた利益」に対してかかります。所有期間や使える控除によって税額は大きく変わり、3,000万円控除が適用できれば税額がゼロになるケースも珍しくありません。
税額を正しく見積もるうえで鍵になるのが取得費の計算です。建物の減価償却や契約書の有無で手取り額に差が出るため、売却を検討し始めた段階で購入時の書類を確認しておくことをおすすめします。
正確な税額を試算するには売却額の見込みが欠かせません。まだ査定を受けていない方は、複数の不動産会社に査定を依頼して売却額のレンジを把握するところから始めてみてください。

