マンション売却の全7ステップ|流れ・期間・注意点を時系列で解説

マンション売却を考え始めたものの、何から手をつけるか・どれくらいの期間がかかるかが見えず、一歩目で止まってしまう方は少なくありません。

慣れない不動産取引だけに、判断ミスや書類不備で時間を失うケースもあります。

この記事ではマンション売却の全7ステップを時系列で整理し、各STEPの所要期間と判断ポイント、つまずきを避けるコツまでまとめてお伝えします。

マンション売却の全体像と完了までの期間

マンション売却は事前準備から確定申告まで7つのSTEPで進み、決済までは平均3〜6ヶ月かかります。

各STEPの作業内容と所要期間、つまずきやすい注意点を順に紹介します。

マンション売却は7ステップ・3〜6ヶ月で進む

マンション売却は売り出しから決済まで平均3〜6ヶ月、確定申告まで含めると約1年がかりの流れになります。

全体は事前準備→査定→媒介契約→売却活動→売買契約→決済引渡し→確定申告という7つのSTEPで構成されます。

各STEPの所要期間目安は以下の通りです。

  • STEP1 事前準備:1〜2週間
  • STEP2 査定依頼:1〜2週間
  • STEP3 媒介契約:数日〜1週間
  • STEP4 売却活動・内覧:1〜3ヶ月
  • STEP5 売買契約:1〜2週間
  • STEP6 決済・引渡し:売買契約から1〜2ヶ月後
  • STEP7 確定申告:翌年2月16日〜3月15日

東日本不動産流通機構によれば、首都圏の中古マンションが登録から成約に至るまでの平均は2024年で84.3日でした。

立地や築年数によって振れ幅はありますが、検討開始から税務処理の完了まで1年程度を見込むと住み替え先の段取りも組みやすくなります。

出典: 公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」

仲介と買取で「流れ」と所要期間は大きく変わる

マンションの売却方法は仲介と買取の2通りがあり、価格を取るか期間を取るかで選び方が分かれます。

仲介は不動産会社が買主を探し、市場価格で売却するもっとも一般的な方法です。買取は不動産会社が直接買主となるため早期に現金化できますが、価格は市場相場の6〜8割にとどまります。

項目仲介買取
売却価格市場価格水準市場価格の6〜8割
期間平均3〜6ヶ月数日〜1ヶ月
仲介手数料発生原則不要
内覧対応必要不要
向く物件立地良好・築浅築古・急ぎ・周囲に知られたくない場合

価格優先で時間に余裕があるなら仲介、スケジュール優先で早期に現金化したいなら買取という棲み分けが基本です。

住み替え先の引渡し時期や売却理由を踏まえて、どちらが自分の状況に合うかを最初に見極めておきましょう。

本記事は仲介を主軸に7つのSTEPを解説します。

流れを把握しないまま売却を始めると陥りやすい3つの落とし穴

流れを知らずに売却を始めると、時間と価格の両面で損につながりやすい3つの落とし穴があります。

1つ目は不動産会社任せです。査定額や売却戦略を比較しないまま媒介契約に進み、囲い込みリスクを見抜けない例が見られます。

2つ目はスケジュール逆算の甘さで、住み替え先の引渡し時期とのズレからダブルローンや仮住まいを抱えるケースが生じます。

3つ目は権利証や管理規約などの書類準備の遅れです。契約や査定の段階ごとに作業が止まり、決済日のずれにもつながります。

全体像を先に押さえれば判断軸が定まり、無駄な後戻りや追加費用なく売却を進められます。

【STEP1】売却の事前準備をおこなう(所要期間:1〜2週間)

STEP1は不動産会社に接触する前に、残債確認・相場調査・スケジュール設計・書類準備を自分で進めるフェーズです。

ここを飛ばすと以降の作業で判断軸がぶれやすくなるため、最初の1〜2週間で土台を固めます。

STEP1で売主がやることの流れ

STEP1の作業は、残債確認→相場調査→スケジュール設計→書類準備の順で1〜2週間かけて進めます。

最初は住宅ローンの残債把握で、いくらで売れば完済できるかの目安をつかむ作業です。

次に売却相場を調べ、物件の概算価格を知ったうえで売却スケジュールを設計します。

住み替え先の引渡し時期から逆算して、売却活動の開始時期と決済時期を仮置きしておくと、後の意思決定がぶれません。

並行して、購入時の売買契約書や管理規約、ローン関連書類の所在を確認しておきます。

・タスク1:住宅ローン残債の確認(1〜2日)
・タスク2:売却相場の調査(2〜3日)
・タスク3:住み替えスケジュールの設計(2〜3日)
・タスク4:必要書類の所在確認・準備(3〜5日)

ここまでを1〜2週間で進めると、査定依頼以降の作業で自分の希望条件を具体的に伝えられます。

住宅ローン残債と売却相場の確認手順

残債は3つの手段で確認でき、相場は公的データを使えば自分で把握できる作業です。

住宅ローン残債の確認手段は3つあります。

契約時の返済予定表、年1回の残高証明書、金融機関のオンライン照会のいずれかが利用可能です。

いずれの場合も今月時点の残高をつかみ、売却額がローンを完済できる水準(アンダーローン)か上回る水準(オーバーローン)かを判定します。

売却相場は公的データと不動産ポータルサイトの2軸で調べる方法が一般的です。

データソース確認できる内容
REINS Market Information実際の成約価格(過去1年程度)
国土交通省 不動産取引価格情報取引当事者アンケートの取引価格
不動産ポータルサイト現在の売り出し価格

成約価格と売り出し価格の両方を見ると、市況と売主希望のギャップが見えてきます。

同じマンション内の過去成約や、近隣の類似物件の㎡単価を集めれば、自分の物件の概算レンジが見えてくる流れです。

出典: 公益財団法人 東日本不動産流通機構, 国土交通省 不動産取引価格情報検索

STEP1で見落としがちな落とし穴

STEP1で起きやすい落とし穴は、相場無視の希望価格設定・住み替えスケジュールの未逆算・書類紛失の3つです。

相場無視の高い希望価格は、問い合わせ減と価格改定を招きます。

住み替えスケジュールを逆算しないまま売り出すと、新居の引渡し時期とずれてダブルローンや仮住まいの負担が発生しがちです。

分譲時のパンフレットや管理規約、修繕履歴を紛失している場合は、再発行に時間を取られます。

買主への情報提供も遅れ、媒介契約後の進行に影響します。

書類は再発行に時間がかかるものもあるため、紛失が判明したら早めに動き始めるほうが安全です。

【STEP2】不動産会社に査定を依頼する(所要期間:1〜2週間)

STEP2は査定額を知る作業に加えて、媒介契約を結ぶ不動産会社を見極めるフェーズです。

複数社への査定依頼から会社比較までを1〜2週間で進め、価格と担当者の両面で判断します。

査定依頼から結果受領・会社選定までの流れ

査定は3〜6社に同時依頼し、机上査定→訪問査定→査定書受領→会社比較という流れで進めるのが基本です。

最初に一括査定サイトや個別問い合わせで、3〜6社に同時に依頼します。

全体の流れは次の通りです。

・3〜6社に査定依頼
・机上査定の概算受領(1〜3営業日)
・訪問査定の日程調整・実施(当日30分〜1時間)
・正式査定書の受領(訪問から1週間前後)
・価格・根拠・担当者対応で会社比較

机上査定の概算で対応の早さや初期の価格レンジを把握し、訪問査定では物件の細部まで確認してもらいます。

訪問から1週間前後で届く正式査定書は、価格と査定根拠の両方を見比べる材料です。

複数社に依頼すると、担当者の説明姿勢や提案内容を相対比較できます。

机上査定と訪問査定の使い分けの判断

机上査定は時間優先、訪問査定は精度と担当者の見極めに向く使い分けです。

机上査定は物件情報と過去成約データから価格を算出し、1〜3営業日が目安です。

訪問査定は担当者が室内・共用部・眺望などを直接確認します。

結果まで1〜2週間ほどかかります。

項目机上査定訪問査定
期間1〜3営業日訪問から1週間前後
精度概算レベル物件の状態を反映
担当者対面なしあり
向く段階検討初期・相場把握売却を本格検討

検討初期は机上査定で複数社の価格レンジを比較し、売り出し前に訪問査定を依頼すると効率的です。

訪問査定では価格そのものよりも、担当者の説明姿勢・査定根拠の具体性・売却計画の提案力を観察するのが大切です。

STEP2で陥りやすい注意点(高額査定の罠・1社決め打ち)

STEP2の注意点は、最高額に飛びつかないこと・1社決め打ちを避けること・査定根拠を必ず確認することの3点です。

査定額が一番高い会社が、必ず一番高く売れるとは限りません。

専任契約を取りたい会社が、相場より2〜3割高い査定額を提示するケースは少なくないため、根拠を聞いて納得できない数字は警戒します。

1社にしか依頼しないと、提示価格や担当者の質を比較できません。

3〜6社の査定額レンジを並べてから、自分の希望価格と現実的な相場感を擦り合わせる手順が安全です。

査定根拠については、近隣の成約事例・専有面積あたりの単価・市況の織り込み方を担当者に説明してもらうと、信頼できる会社が見分けやすくなります。

【STEP2】不動産会社に査定を依頼する(所要期間:1〜2週間)

STEP2は査定額を知る作業に加えて、媒介契約を結ぶ不動産会社を見極めるフェーズです。

複数社への査定依頼から会社比較までを1〜2週間で進め、価格と担当者の両面で判断します。

査定依頼から結果受領・会社選定までの流れ

査定は3〜6社に同時依頼し、机上査定→訪問査定→査定書受領→会社比較という流れで進めるのが基本です。

最初に一括査定サイトや個別問い合わせで3〜6社に同時に依頼し、全体の流れは次の通りです。

・3〜6社に査定依頼
・机上査定の概算受領(1〜3営業日)
・訪問査定の日程調整・実施(当日30分〜1時間)
・正式査定書の受領(訪問から1週間前後)
・価格・根拠・担当者対応で会社比較

机上査定の概算からは対応の早さや初期の価格レンジが分かります。続く訪問査定では物件の細部を確認してもらい、その1週間後に届く査定書で価格と根拠を見比べます。複数社に依頼すれば、担当者の説明姿勢や提案内容まで相対比較できる点も大きな利点です。

机上査定と訪問査定の使い分けの判断

机上査定は時間優先、訪問査定は精度と担当者の見極めに向く使い分けです。

まず机上査定は物件情報と過去成約データから価格を算出する方法で、結果まで1〜3営業日が目安です。

一方の訪問査定は、担当者が室内・共用部・眺望などを直接確認します。結果が出るまで1〜2週間ほどです。

項目机上査定訪問査定
期間1〜3営業日訪問から1週間前後
精度概算レベル物件の状態を反映
担当者対面なしあり
向く段階検討初期・相場把握売却を本格検討

使い分けは、検討初期に机上査定で価格レンジを把握し、売り出し前に訪問査定で精度を高める流れを取ります。ただし訪問査定では、価格よりも担当者の説明姿勢・査定根拠の具体性・売却計画の提案力を観察する視点が大切です。

STEP2で陥りやすい注意点(高額査定の罠・1社決め打ち)

STEP2の注意点は、最高額に飛びつかないこと・1社決め打ちを避けること・査定根拠を必ず確認することの3点です。

まず査定額が一番高い会社が、必ず一番高く売れるとは限りません。特に専任契約を取りたい会社は、相場より2〜3割高い査定額を提示するケースが少なくないため、根拠が薄い数字は警戒が必要です。

次に1社にしか依頼しないと、提示価格や担当者の質を比較できません。3〜6社の査定額レンジを並べたうえで、希望価格と現実的な相場感を擦り合わせる手順が安全です。

3つ目の査定根拠については、近隣の成約事例・専有面積あたりの単価・市況の織り込み方を担当者に確認すると、信頼できる会社が見分けやすくなります。

【STEP3】不動産会社と媒介契約を結ぶ(所要期間:数日〜1週間)

STEP3の媒介契約は、売却活動の権限を不動産会社にどこまで委ねるかを決める重要なフェーズです。

ここでの選択が以降3ヶ月の売却スピードと最終価格を左右するため、契約タイプの違いまで理解して進めます。

媒介契約締結までの流れと売主が判断すること

査定書を見比べて候補を1〜3社に絞り、契約条件をすり合わせてから媒介契約書を結ぶ流れです。

まず複数社の査定書を、価格・査定根拠・担当者対応の3点で見比べます。絞り込んだ候補とは、契約条件の調整に進みます。

ここで売主が判断するのは、契約種類・売出価格・契約期間・解除条件の4点です。

全体の流れは次の通りです。

・査定書の比較と候補を1〜3社に絞り込み
・契約条件(種類・売出価格・期間・解除条件)の調整
・媒介契約書の締結

契約締結まで数日〜1週間が必要になります。急かされて当日サインを求められた場合でも、媒介契約は3ヶ月単位で続く重要な契約のため、持ち帰って検討する余地を確保します。

一般・専任・専属専任から自分に合う契約を選ぶ

3種類の媒介契約は、依頼できる会社数・自己発見取引の可否・報告義務の頻度などが異なります。

まず一般媒介は複数社と同時契約でき、自己発見取引も可能です。ただしレインズ登録や報告義務がないため、不動産会社の動きが見えにくい点には注意が必要です。

一方の専任媒介と専属専任媒介は、依頼先が1社に絞られます。その代わりにレインズ登録と定期的な活動報告が義務付けられます。

項目一般媒介専任媒介専属専任媒介
契約社数複数社可1社のみ1社のみ
自己発見取引不可
レインズ登録任意7営業日以内5営業日以内
報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
契約期間規定なし3ヶ月以内3ヶ月以内

物件タイプ別の目安として、駅近・築浅の人気物件は競争原理が働く一般媒介が有効です。築古や駅遠の物件は、1社が責任を持って動く専任媒介や専属専任媒介のほうが売却スピードを出しやすくなります。

出典: 国土交通省 標準媒介契約約款, e-Gov 宅地建物取引業法 第34条の2

STEP3で起きやすい落とし穴(囲い込み・両手仲介)

STEP3の最大の落とし穴は、両手仲介を狙う不動産会社による「囲い込み」です。

両手仲介とは、1社が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取る取引です。この場合、報酬が片手仲介の2倍になります。不動産会社にとっては大きな利益源です。

ただし両手仲介を狙うあまり、他社からの問い合わせを断ったりレインズ登録を怠ったりする行為が「囲い込み」にあたります。囲い込みが起きると、買主候補が物件にたどり着けません。結果として売却が長期化し、価格交渉でも不利な立場に追い込まれます。

対策としては、専任媒介を結ぶ前にレインズ登録と定期報告の徹底を担当者に明言してもらうのが安全です。

【STEP4】売却活動と内覧対応をおこなう(所要期間:1〜3ヶ月)

STEP4は1〜3ヶ月にわたる売却活動と内覧対応のフェーズで、価格戦略と見せ方が最終価格を左右します。

ここで成果が出ない場合は、3ヶ月の時点で価格や戦略の見直しに動きます。

売り出し開始から買主決定までの流れ

売却活動はレインズ登録→ポータル掲載→広告→内覧→価格交渉→買付証明書受領という流れで進みます。

まず媒介契約の翌日から動き始め、レインズ登録とポータル掲載がほぼ同時に進みます。期限は専任で7営業日、専属専任で5営業日です。

掲載開始から平均82.5日で成約に至ると東日本レインズ(2025年版)は公表しています。

掲載後の主な流れは次の通りです。

  • 問い合わせ受付(週に数件が目安)
  • 内覧予約・実施
  • 買付証明書(購入申込書)の受領
  • 価格と引渡し時期の最終調整

ここで合意に達した段階で売買契約の準備に入ります。

出典: 公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年版)」

内覧当日の流れとマンション特有の評価ポイント

内覧は前日清掃→当日換気・照明準備→来訪→質疑応答の流れで進み、マンションは眺望や管理状態も評価対象です。

内覧の前日には、玄関・水回り・リビングを中心に清掃を済ませ、においの強いものは取り除いておきます。

当日は30分前から換気を始めます。カーテンと照明を全開にして、明るい印象を確保するのが基本です。

来訪後はマンション特有の評価ポイントを意識して案内し、眺望・採光・専有部分の使い勝手・共用施設・管理組合の運営状況が見られます。

特に修繕積立金の積み立てや大規模修繕の履歴は、中古マンションで重視される項目です。

子の独立後で広さに余裕がある場合は、リビングの開放感や収納の使いやすさを見せると好印象に繋がります。

STEP4で陥りやすい注意点(3ヶ月売れない時のサイン)

3ヶ月経って買付がない場合、内覧0なら価格設定、内覧ありなら見せ方や物件アピールに課題があります。

首都圏中古マンションの売却活動は平均82.5日(2025年版・東日本レインズ)と、3ヶ月が一つの区切りです。内覧が0件なら、価格が相場より高すぎる可能性が高いです。

一方、内覧はあるのに買付がつかない場合は、物件の見せ方や担当者の説明力に課題があります。

打ち手は次の3つです。

  • 価格の見直し(相場帯まで一気に下げる、または5%刻みで段階的に下げる)
  • 媒介契約の切り替え(一般↔専任など)
  • 買取保証付き専任媒介への切替

特に3ヶ月以上ポータルに掲載され続けると「売れ残り感」が出るため、一時掲載を止めて再出品する戦略も検討します。

築古や駅遠で売却難度が高い場合は、買取保証付きの専任媒介が安全策の一つです。

【STEP5】買主と売買契約を締結する(所要期間:1〜2週間)

STEP5は買主決定から売買契約までの工程で、金銭条件や解除条件など後戻りできない判断が続きます。

契約締結まで1〜2週間が目安で、特約条項まで確認したうえで署名押印に進みます。

買付証明書の受領から契約締結までの流れ

買付証明書(購入申込書)の受領から、条件交渉・重要事項説明を経て売買契約締結・手付金受領まで進みます。

まず買主から買付証明書を受け取り、購入希望価格・引渡し時期・住宅ローン条件などを確認します。ここで価格交渉や引渡し時期の調整に入るのが一般的です。

双方の合意が取れたら、契約日を決定して契約準備に進みます。契約当日には宅地建物取引士による重要事項説明を行い、その後に売買契約書の読み合わせと署名押印に進む流れです。

契約締結と同時に買主から手付金を受け取り、印紙税の支払い(軽減税率の対象)と仲介手数料の半金を売主が支払います。

全体の流れは次の通りです。

  • 買付証明書(購入申込書)の受領
  • 価格・引渡し時期・ローン条件の確認
  • 契約日決定
  • 重要事項説明
  • 売買契約書の読み合わせ・署名押印
  • 手付金受領・印紙税納付・仲介手数料半金支払い

売買契約当日の流れと売主が持参するもの

契約当日は重要事項説明→契約書読み合わせ→署名押印→手付金受領の流れで、売主は実印と登記関連書類を持参します。

契約は不動産会社の店舗で行うのが一般的で、所要時間は1〜2時間です。

最初に宅地建物取引士が重要事項説明書を読み上げ、物件の権利・法令上の制限を確認します。内容に納得できたら売買契約書の読み合わせに移ります。

特に契約解除条件・手付金・契約不適合責任の条項は売主に影響するため、不明点をその場で質問するのが安全です。

売主が当日持参するものは次のとおりです。

  • 実印
  • 印鑑証明書(発行3ヶ月以内)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 登記識別情報(または登記済証)
  • 印紙代相当額の現金
  • 仲介手数料半金(契約時支払い分)

印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが求められるため、契約日が決まったらすぐに取得しておきます。

STEP5で見落としがちな注意点(手付金・契約不適合責任)

STEP5の注意点は、手付金の金額・契約不適合責任の範囲・契約解除条件の3点で、いずれも事前確認が必須です。

まず手付金は売買代金の5〜10%が相場で、低すぎると買主からの手付解除リスクが上がります。逆に高すぎると、買主の資金繰りに無理が生じやすい状態です。

次に契約不適合責任は、引渡し後の物件の不具合に対する売主の責任で、買主が不具合を知ってから1年以内の通知で請求できます。中古マンションでは設備不具合の範囲や免責期間を契約書に明記しておきます。

3つ目の契約解除条件では、手付解除の期日・違約金の額・ローン特約の条項を曖昧にしないことが安全です。なお物件状況報告書での告知漏れは、後のトラブル源になります。

出典: 国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」, e-Gov 民法 第562条〜第564条

【STEP6】決済・引き渡しをおこなう(所要期間:売買契約から1〜2ヶ月後)

STEP6は決済日に売買代金受領・登記移転・物件引渡しを同日完了させるフェーズです。

マンション固有の手続きが集中するため、売買契約から1〜2ヶ月の期間で準備を進めます。

決済日までに売主が準備することの流れ

決済日までに引越し→室内クリーニング→管理組合通知→司法書士手配→ローン完済手続きを順に進めます。

決済当日に所有権が買主へ移るため、引越しと室内クリーニングは事前に終わらせます。特に2〜4月は引越し繁忙期で予約が取りづらいです。

次にマンション特有の準備として、管理組合への組合員資格喪失届の提出準備があります。並行して、住宅ローンが残っている場合は金融機関に完済の意向を伝え、抵当権抹消の段取りを依頼します。

司法書士の手配は不動産会社が進めるのが通例です。抵当権抹消の費用(5〜10万円程度)は売主負担となります。

最後に、鍵・分譲時のパンフレット・管理規約・設備取扱説明書を当日引き渡せるようまとめておきます。

決済当日の手続きの流れと関係者

決済当日は金融機関の会議室などに関係者が集まり、本人確認→書類確認→融資実行→残代金支払→登記申請→鍵引渡しの流れで進みます。

集まる関係者は売主・買主・両社の仲介担当者・司法書士・金融機関担当者で、平日午前中に1〜2時間かけて行うのが一般的です。

最初に司法書士が売主・買主の本人確認と登記関連書類の確認を行い、所有権移転登記の準備を進めます。確認が完了したら買主のローンが実行されます。

その融資金から売主に残代金が振り込まれ、固定資産税・管理費・修繕積立金の日割り精算も同時並行です。

売主は受領した代金で住宅ローンを完済します。司法書士が抵当権抹消の登記手続きに入る段階です。

最後に鍵と関連書類を引き渡し、仲介手数料の残金を支払えば決済完了です。

STEP6でマンション特有の落とし穴(管理組合通知・積立金精算)

STEP6で見落としやすいのは、管理組合への通知・修繕積立金等の日割り精算・駐車場や駐輪場契約の解除・抵当権抹消の段取りです。

まず管理組合への「組合員資格喪失届」は決済後すみやかに提出が必要です。提出が遅れると管理費の引き落としが止まらず、所有権移転後も売主に請求が続きます。

次に日割り精算の確認です。修繕積立金・管理費・駐車場代を、決済日基準で按分します。駐車場や駐輪場の契約は専有部分とは別管理の場合があり、解除手続きの確認が必要です。

最後に抵当権抹消は、住宅ローン完済から書類受領まで2〜3週間かかります。決済日に間に合わせるため、ローン完済の連絡は早めに行います。

出典: 国土交通省 マンション標準管理規約

【STEP7】売却翌年に確定申告をおこなう

STEP7は売却翌年の2月16日から3月15日に行う確定申告のフェーズで、特例適用時は税額0円でも申告が必要です。

申告忘れには無申告加算税と延滞税が課されるため、決済年内から必要書類の保管を始めます。

売却後から確定申告までのスケジュールの流れ

売却後の流れは、年内の書類保管→翌年1月から申告準備→2月16日〜3月15日に申告→6月から住民税納付という年間スケジュールです。

決済引渡し後は、確定申告で使う書類を年内にまとめて保管します。主な書類は売買契約書(売却時と購入時)・取得時の領収書・諸経費の領収書・登記関係書類です。

次に翌年1月から確定申告書の作成準備に入り、2月16日から3月15日の期間内に申告します。なお申告期限の最終日が土日の場合は翌月曜日に繰り越されます。

最後に所得税は3月15日までに納付、住民税は6月から納付が始まる流れです。

確定申告が必要・不要のケース判別

確定申告が必要なのは譲渡所得がプラスの場合と特例を利用する場合で、譲渡損失でも繰越控除を使うなら申告が必要です。

譲渡所得は「売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。ここがプラスなら、税額が発生するため申告が必須です。

マイナスでも、3000万円特別控除や軽減税率の特例を使う場合は税額0円でも申告が必要となります。また譲渡損失の損益通算・繰越控除を狙うときも、確定申告から始まります。

申告不要なのは、譲渡損失かつ特例も繰越控除も使わない場合だけです。

出典: 国税庁タックスアンサー No.3202 譲渡所得の計算のしかた

STEP7で見落としがちな注意点(特例適用には申告必須)

STEP7の注意点は、特例適用には申告必須・取得費不明の概算5%リスク・申告忘れによる無申告加算税の3点です。

まず3000万円特別控除に注意します。税額0円でも申告しないと適用されません。計算上は税金がゼロでも、申告を省くと特例自体が使えず後から課税されます。

次に取得費が分からない場合は、売却額5%を概算取得費に使う方式です。結果として譲渡所得が実際より大きく算出され、税負担が増加します。購入時の売買契約書や領収書は早めに探します。概算5%は最終手段に留めるべき選択肢です。

最後に申告忘れには無申告加算税(最大20%)と延滞税(年7.3〜14.6%)が課されます。特例利用の有無に関係なく、不動産売却の翌年は確定申告を忘れないのが安全です。

出典: 国税庁タックスアンサー No.3258 取得費が分からないとき, No.3302 マイホームを売ったときの特例, No.2024 確定申告を忘れたとき

まとめ

マンション売却は事前準備から確定申告まで、7つのSTEPを3〜6ヶ月かけて進める流れです。各STEPで判断のタイミングや注意点が分かれるため、全体像を最初に押さえておくと、価格設定のミスや書類準備の遅れによる後戻りを抑えやすくなります。

売却の出発点は複数社への査定依頼で、価格レンジと担当者対応を比較するところから始まります。納得のいく売却スタートに向けて、無料の一括査定で複数社を比べてみるのが効率的です。