実家の売却は相続前と相続後どっちが得?税額の違いと判断基準

親から受け継ぐ実家、売るタイミングは相続の前と後どちらがいいのか迷いますよね。

税金や兄妹での分け方までからむと、ひとりでは決めきれない場面かもしれません。

この記事を読めば、自分の家はどちらが向くかを判断でき、次の一歩へ進めます。

相続前売却と相続後売却は何が違う?まず「変わる点」を押さえる

違いの本質は、親の財産を現金として受け取るか、不動産のまま受け継ぐかにあります。

選び方しだいで相続税の額は大きく変わり、ここが判断の分かれ目になります。前後で何がどう違うのかを、損得の話はいったん脇に置いて整理していきます。

違いの本質は「現金で相続するか・不動産のまま相続するか」

両者の本質的な違いは、相続する財産が現金か不動産かにあります。

相続前売却なら、親が元気なうちに家を売り、残った現金を相続します。家という資産が現金に変わってから、次の世代へ引き継がれていきます。

相続後売却なら家を不動産のまま相続し、受け継いだ人があらためて売却します。不動産は路線価や固定資産税評価額をもとに評価されるため、現金で持つよりも相続税の評価額が低く出やすくなります。

出典: 国税庁「No.4602 土地家屋の評価」

前後で“変わる税金”と“変わらない税金”

前後で変わるのは相続税の課税対象で、譲渡所得税はどちらの場合もかかります。

家を売って利益が出ると、その売却益に譲渡所得税がかかります。これは親が相続前に売っても、子が相続後に売っても発生する税金です。

変わるのは相続税の課税対象です。相続前に売れば手元の現金が対象になり、相続後まで持てば不動産の評価額が対象になります。

出典: 国税庁「相続税の計算」

このように、譲渡所得税はどちらを選んでもかかる一方、相続税は何を対象にするかで金額が動きます。前後で差がつくのは主に相続税の側だと押さえると、この先の比較がわかりやすくなります。

5つの比較軸で見る相続前・相続後の早見表

違いは、税金・特例・名義変更のタイミング・親の意思能力・分割のしやすさの5点に整理できます。

細かな金額より先に、どこに違いが出るのかを一覧で確認しておきましょう。

比較軸相続前売却相続後売却
相続税の課税対象売却後の現金不動産の評価額
使える特例親のマイホーム特例など空き家特例・小規模宅地など
名義変更不要(親の名義で売却)相続登記が必要
親の意思能力必須(売主は親本人)不要(相続人が売却)
分割のしやすさ現金で分けやすい不動産は分けにくい

相続後は名義を引き継ぐ相続登記が必要になります。相続前なら親の名義のまま売れるため、この手続きはいりません。なお相続で不動産を得ても不動産取得税は原則かからず、購入や贈与のときだけかかる税金です。

出典: 総務省「不動産取得税」

親の意思能力は、相続前売却でとりわけ重要になります。売主は親本人なので、判断能力があり売却に納得していることが欠かせません。分割のしやすさとあわせ、これらは税金以外の分かれ目になります。

【シミュレーション】同じ実家を「相続前」と「相続後」で売ったら税額はどう違う?

同じ実家でも、相続前と相続後では手元に残る金額が変わります。

ここでは評価額・売却額・取得費をそろえた1つのモデルで、前後の税額を並べて確かめます。なお相続税がかかる規模の家を例にしており、かからない家では前後の差はほとんど出ません。

ケース設定(評価額・売却額・取得費を同一前提で固定)

比較の前提として、評価額・売却額・取得費を1つのケースに固定します。

項目設定
売却額(時価)5,000万円
相続税評価額3,500万円
取得費不明(概算で売却額の5%=250万円)
その他の財産預貯金など3,000万円
相続人子2人

取得費がわからない実家は珍しくなく、その場合は売却額の5%を取得費とみなして計算します。所有期間は親から引き継ぐため、長く住んだ実家であれば税率の低い長期譲渡として扱えます。

仲介手数料などの譲渡費用と各種の特例は、差を見やすくするためここではいったん外して計算します。

出典: 国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」

相続前に売った場合にかかる税金

相続前は、親に譲渡所得税がかかり、残った現金に相続税がかかります。

親が5,000万円で売ると、売却益の4,750万円に長期譲渡の税率がかかります。譲渡所得税は約965万円となり、手元には約4,035万円の現金が残ります。

この現金は預貯金とあわせて約7,035万円の相続財産になります。基礎控除4,200万円を超えた部分に相続税がかかり、その額は約325万円です。

親が払う譲渡所得税と、相続人が払う相続税を合わせると、税の合計は約1,290万円になります。家が満額の現金に変わってから次の世代へ渡る点を覚えておきましょう。

出典: 国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

相続後に売った場合にかかる税金

相続後は、低い評価額に相続税がかかり、売却したときに譲渡所得税がかかります。

家は評価額3,500万円のまま相続され、預貯金とあわせて6,500万円が相続財産になります。同じ基礎控除を引くと、相続税は約245万円におさまります。

相続した家を5,000万円で売ると、譲渡所得税がかかります。取得費は親の分を引き継ぐため、相続前と同じ約965万円です。

相続税と譲渡所得税を合わせると、税の合計は約1,210万円になります。譲渡所得税は前後で変わらず、相続税が約80万円軽くなった分だけ負担が減っています。

出典: 国税庁「No.4155 相続税の税率」

結局どちらが手取りで得だったか

このケースでは、相続後に売ったほうが手取りで約80万円多く残ります。

税の内訳相続前売却相続後売却
譲渡所得税約965万円約965万円
相続税約325万円約245万円
税の合計約1,290万円約1,210万円
手取り約6,710万円約6,790万円

差を生んだのは相続税です。相続前は売却後の現金に課税され、相続後は低い評価額に課税されるため、その差がそのまま手取りにあらわれます。

ただし、この結果はケースによって変わります。取得費がはっきりしている場合や、居住用・空き家の特別控除が使える場合は譲渡所得税が動き、前後の有利不利が入れ替わることもあります。

「相続前に売る」のが向いているのはどんな人・ケースか

相続前売却は、親が元気なうちに現金化したい事情がある人に向きます。

前提として、親名義のまま親本人が売る形になります。この成立条件を確認したうえで、現金化を急ぐ事情や相続人が多いケースなど、向いている人を見ていきます。

そもそも相続前に売れる?親本人の合意と意思能力という前提

相続前に売るには、親本人の合意と判断能力が欠かせません。

売主はあくまで親本人なので、親が売却に納得し、契約を理解できる判断能力をもっていることが出発点になります。これが満たせないと、相続前という選択肢そのものが成り立ちません。

親が生前に家を売る背景には、まとまった現金が必要という事情があります。施設の入居費用や日々の生活費、介護費用にあてるために、家を現金に換えます。

一方、親の判断能力が下がっていると、親本人による売却は原則できなくなります。相続前は選びにくくなるため、まず別の手立てを考える必要があります。

なお、親が住んでいる家を売るなら、譲渡益から最高3,000万円を差し引ける特別控除を親側で使える可能性があります。

出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

相続税がかからない見込みで、現金化を急ぐ理由がある場合

相続税がかからない見込みなら、相続前に現金化する選択肢が現実的になります。

相続税がかからない家だと、家のまま受け継いでも税の面で得をする部分がほとんどありません。それなら、親が元気なうちに売って現金にしておくほうが動きやすい場面もあります。

空き家を抱えると、固定資産税や管理の手間が毎年かかり続けます。こうした負担を避けたい人や現金化を急ぐ事情がある人は、相続前が向いています。

相続人が多く、遺産分割でもめたくない場合

相続人が複数いて主な財産が実家くらいなら、相続前の現金化が公平な分割につながります。

不動産はお金のようにきれいに半分へ分けることができません。誰が引き継ぐか、売って分けるかで意見が割れ、話し合いが長引きやすくなります。

あらかじめ現金にしておけば、相続人の人数で公平に分配できます。分け方をめぐる対立が起きにくく、争いを未然に防げます。

こうした事情で分けやすさを重視するなら、相続前が向いています。実際に売る時期で意見が割れたときは、合意のための別の進め方が必要になります。

「相続後に売る」のが向いているのはどんな人・ケースか

相続後売却は、相続税がかかる見込みの人や、相続後の特例の条件に合う人に向きます。

相続税が発生しそうな人ほど、相続後に売る節税メリットが大きくなります。どんな条件に当てはまると相続後が向くのか、税の面から順に見ていきます。

相続税がかかる見込みの場合は相続後が有利になりやすい

相続税がかかる見込みの家は、相続後に売るほうが手元に多く残りやすいです。

不動産は相続税の評価額が実際の売値より低くなりやすく、その差が大きい家ほど相続後の節税効果が出ます。家のまま受け継いでから売れば、低い評価額で相続税を計算できるためです。

評価額と売値の差が大きい家ほど、この効果は大きくなります。相続税がかかる規模の家を持つ人は、相続後が向いています。

相続した空き家なら「3,000万円特別控除」が使える可能性

親が一人で住んでいた家を相続して売ると、最高3,000万円を控除できる可能性があります。

この空き家特例は相続した人の譲渡益から最高3,000万円を差し引ける制度です。対象は親が亡くなる直前まで一人で住んでいた家に限られます。

売る時期にも期限があり、相続開始から3年を経過する日の属する年の年末までに売る必要があります。特例そのものの適用期限は、令和9年12月31日までとされています。

令和6年からは、相続人が3人以上だと控除額が1人2,000万円に下がります。親が老人ホームに入っていた場合も、一定の要件を満たせば対象になります。

要件は細かく、建物の古さや売却代金の上限なども確認が必要です。使えるかどうかは個別の判断になるため、税理士など専門家への相談をおすすめします。

出典: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

同居していた・取得費が高いなど、他の特例が効くケース

親と同居していた人や、別の特例が使える人も、相続後が向きます。

親と同居していた家を相続するなら、小規模宅地等の特例で土地の評価額を最大80%下げられることがあります。評価額が大きく下がれば、その分だけ相続税の負担も軽くなります。

出典: 国税庁「No.4124 小規模宅地等の特例」

相続税を納めた人が一定期間内に売ると、取得費加算の特例で譲渡所得税を抑えられる場合もあります。納めた相続税の一部を取得費に上乗せでき、売却益を小さくできます。

ただし、空き家特例と取得費加算は同じ家に同時には使えず、どちらか一方を選びます。どちらが有利かはケースで変わるため、専門家に確認したうえで相続後を選ぶと安心です。

出典: 国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

「相続後に売る」のが向いているのはどんな人・ケースか

相続後売却は、相続税がかかる見込みの人や、相続後の特例の条件に合う人に向きます。

相続税が発生しそうな人ほど、相続後に売る節税メリットが大きくなります。どんな条件に当てはまると相続後が向くのか、税の面から順に見ていきます。

相続税がかかる見込みの場合は相続後が有利になりやすい

相続税がかかる見込みの家は、相続後に売るほうが手元に多く残りやすいです。

不動産は相続税の評価額が実際の売値より低くなりやすく、その差が大きい家ほど相続後の節税効果が出ます。家のまま受け継いでから売れば、低い評価額で相続税を計算できるためです。

評価額と売値の差が大きい家ほど、この効果は大きくなります。相続税がかかる規模の家を持つ人は、相続後が向いています。

相続した空き家なら「3,000万円特別控除」が使える可能性

親が一人で住んでいた家を相続して売ると、最高3,000万円を控除できる可能性があります。

この空き家特例は相続した人の譲渡益から最高3,000万円を差し引ける制度です。対象は親が亡くなる直前まで一人で住んでいた家に限られます。

売る時期にも期限があり、相続開始から3年を経過する日の属する年の年末までに売る必要があります。特例そのものの適用期限は、令和9年12月31日までとされています。

令和6年からは、相続人が3人以上だと控除額が1人2,000万円に下がります。親が老人ホームに入っていた場合も、一定の要件を満たせば対象になります。

要件は細かく、建物の古さや売却代金の上限なども確認が必要です。使えるかどうかは個別の判断になるため、税理士など専門家への相談をおすすめします。

出典: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

同居していた・取得費が高いなど、他の特例が効くケース

親と同居していた人や、別の特例が使える人も、相続後が向きます。

親と同居していた家を相続するなら、小規模宅地等の特例で土地の評価額を最大80%下げられることがあります。評価額が大きく下がれば、その分だけ相続税の負担も軽くなります。

出典: 国税庁「No.4124 小規模宅地等の特例」

相続税を納めた人が一定期間内に売ると、取得費加算の特例で譲渡所得税を抑えられる場合もあります。納めた相続税の一部を取得費に上乗せでき、売却益を小さくできます。

ただし、空き家特例と取得費加算は同じ家に同時には使えず、どちらか一方を選びます。どちらが有利かはケースで変わるため、専門家に確認したうえで相続後を選ぶと安心です。

出典: 国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

判断の前に確認したい特殊ケース(認知症・兄妹間の対立・相続放棄)

これらの特殊ケースに当てはまるなら、相続前か相続後かを考える前に、まずここを解決する必要があります。

親の判断能力、兄妹のタイミング対立、借金の相続という3つの場面を取り上げます。いずれも前提が崩れたり揉めたりしやすく、放っておくと売却そのものが進みません。

親の判断能力が低下している場合(成年後見・家族信託・生前贈与)

親の判断能力が下がっていると、親本人による相続前売却は原則できなくなります。

売買契約には、内容を理解して意思決定できる判断能力が必要です。認知症などで能力が不十分になると、親が自分で家を売ることは難しくなります。

すでに能力が低下しているなら、成年後見制度を使う方法があります。ただし本人が住む家や住んでいた家を売るには家庭裁判所の許可が必要で、許可のない売却は無効になります。

出典: 裁判所「成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可」

まだ元気なうちに備えるなら、家族信託という選択肢があります。財産を管理する受託者に名義を移しておけば、後で判断能力が下がっても、受託者が裁判所の許可なく売却できます。

能力の低下が軽いうちに、生前贈与で子へ移す方法もあります。ただし贈与には贈与税がかかり、名義変更の登録免許税も相続より高くつきます。さらに相続ではかからない不動産取得税もかかる点に注意が必要です。

出典: 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」

兄妹でタイミングの意見が割れたときの進め方

兄妹で売る時期の意見が割れたら、現金化のしやすさを軸に進めると合意に近づきます。

意見が割れたときは、まず全員が同じ情報を持つことから始めます。今売る場合と後で売る場合で手取りがどう変わるかを共有すると、感情論を避けやすくなります。

折り合いがつかないなら、先に現金化して分ける形が落としどころになりやすいです。お金にしておけば分け方の不公平感が小さく、話がまとまりやすくなります。

それでもまとまらないなら、税理士や弁護士など第三者を交えるのも有効です。利害から離れた立場の説明が入ると、全員が納得したうえで前へ進みやすくなります。

相続放棄を検討すべきケース

借金が多かったり、売れない負動産だけが残ったりするなら、相続放棄も選択肢になります。

相続放棄をすると、借金を引き継がずに済みます。ただし家や預貯金などのプラスの財産も一切受け取れなくなる点には注意が必要です。

手続きには期限があり、自分が相続人だと知った時から原則3か月以内に家庭裁判所へ申し出ます。いったん受理されると撤回できないため、判断に迷うなら早めに専門家へ相談すると安心です。

出典: 裁判所「相続の放棄の申述」

【結論】結局どっちがおすすめ?「相続税がかかる家か」でほぼ決まる

どちらを選ぶかは、「うちは相続税がかかる家か」という1つの問いでほぼ決まります。

難しい税の話はいったん脇に置き、覚えて帰れる基準にまとめます。なぜ相続後が得なのか、自分の家はどちらなのか、その先どう動くかを順に示します。

そもそも、なぜ「家のまま相続して売る」と税金が安くなるのか

家のまま相続して売ると安くなるのは、不動産が税の世界では安く見てもらえるからです。

同じ家でも、実際に売れる値段と、相続税を計算するときの値段は違います。たとえば5,000万円で売れる家でも、税の計算上は3,500万円ほどに見てもらえるイメージです。

親が先に売ると、家は5,000万円の現金に変わり、その満額に相続税がかかります。家のまま受け継げば、低く見た3,500万円をもとに計算できるため、その分だけ安く済みます。

これが「相続税がかかる家は相続後がおすすめ」と言われる理由です。受け継いでから売るだけで、同じ家なのに納める税金を抑えられます。

自分の家に相続税がかかるか、ざっくり見分ける方法

相続税がかかるかは、財産の合計が「3,000万円+600万円×人数」を超えるかで見分けられます。

まず、家や土地、預貯金といった親の財産をぜんぶ足してみます。その合計が、次の金額を超えそうかどうかが分かれ目になります。

目安となる金額は、相続する人数で変わります。子ども2人なら4,200万円、子ども3人なら4,800万円が境目です。

この金額を超えそうなら「かかる家」、下回りそうなら「かからない家」と考えて差し支えありません。まずはざっくり当てはめて、自分がどちらかをつかんでおきましょう。

ただし、これはおおまかな目安です。生命保険や生前贈与などで結果が変わることもあるため、境目に近いなら税理士に確認すると安心です。

出典: 国税庁「No.4152 相続税の計算」

【相続税がかかる家】相続後がおすすめ/どのくらい得するか

相続税がかかる家は相続後がおすすめで、得する額は数十万円から数百万円ほどになります。

かかる家では、家のまま受け継いでから売るほうが相続税を抑えられます。先ほどの「評価額が低く見てもらえる」分が、そのまま得につながります。

得する額は、家の規模や税率によって変わります。一般的な家なら数十万円から数百万円ほどで、税率の高い資産家では1,000万円を超えることもあります。

細かい計算をしなくても、「相続税のかかる家なら相続後」と覚えておけば十分です。具体的な金額は、家の値段と相続税率しだいで上下します。

【相続税がかからない家】分けやすさで決める(兄妹が多いほど相続前)

相続税がかからない家は税の損得がほぼないため、分けやすさが決め手になります。

税で差がつかないなら、残る判断材料は「きれいに分けられるか」です。兄妹が多く、主な財産が実家くらいの家ほど、現金にして分けやすい相続前がラクになります。

反対に、兄妹が1〜2人で分けることに無理がないなら、相続前でも相続後でもかまいません。急いで決めず、家族が納得しやすいほうを選べば大丈夫です。

【例外】親の介護・施設費で今すぐ現金が必要なときだけは相続前

親の介護や施設の費用で今すぐ現金がいるなら、税の損得を気にせず相続前で大丈夫です。

親が元気で本人も売却に納得しているうちに売れば、相続前でも問題ありません。親のための売却なら、税金の有利不利よりも、必要なお金を用意することが優先されます。

ただし、親の判断能力が下がっていると、この相続前売却そのものができません。あてはまりそうなら、売り方を考える前に対応を確認しておく必要があります。

方針が決まったら、次にすること

方針が決まったら、まず実家がいくらで売れそうかを知ることが次の一歩になります。

相続後を選んだ人は、使える特例の確認や実家の片づけから動き出せます。相続前を選んだ人は、親が売主となって進める売却の段取りを進めていきます。

どちらを選んでも、まず実家の市場価値を知ることが出発点になります。今いくらで売れそうかが分かれば、前後どちらの試算もでき、方針をお金の面から確かめられます。

自分の家がどちらかをつかんだら、住み替えのトビラの一括査定で実家の売れそうな価格を確かめてみてください。

相続税がかかるなら相続後、かからず分けにくいなら相続前を選びましょう。

まとめ:相続税がかかる家かで、売る時期はほぼ決まる

相続前売却と相続後売却は、財産を現金で受け継ぐか不動産のまま受け継ぐかで、かかる税金が変わります。判断の軸はシンプルで、自分の家に相続税がかかるかどうかでおおよその方向が決まります。

相続税がかかる家は相続後が有利になりやすく、かからない家は分けやすさで選べば十分です。認知症や兄妹の対立、借金があるなら、前後を比べる前にそこから整理しておくと安心です。

どちらを選ぶにしても、出発点は実家がいくらで売れそうかを知ることです。住み替えのトビラの一括査定で価格の目安をつかみ、迷う点は専門家に相談しながら進めてみてください。